夜の「六道まいり」➋
そもそも、京に伝わる「六道まいり」と云うのは、霊迎えの行事だそうです。冥土にまで響くと
される迎えの鐘を手前に引っ張って鳴らし、先祖の霊を現世に迎えるのです。あの世とこの世の
境界である「六道の辻」に位置するお寺で行われるお盆の精霊迎えの行事だと云うことです。
六道珍皇寺(ろくどうちんのうじ)あたりは、地獄・餓鬼・畜生・修羅・人間・天上の六つの冥界
への入口にあたっていて、「あの世とこの世」の分岐点だと信じられてきたそうです。

一方、嵯峨天皇に仕える高官だった小野篁
(おののたかむら)は、本堂裏庭の井戸を使っ
て現世と冥界とを行き来していたという伝説が
あり、 昼は朝廷の役人、夜は冥界の閻魔庁で
冥官を務めていたとされていて、閻魔大王から
「精霊迎えの法」(先祖をふたたび現世に迎え
る法術)を授かっていたと云うのです。
(左は、珍皇寺の六道まいりパンフより抜粋)
その井戸の側に植わっていた高野槙の枝を伝って冥界へ行ったとの伝説から、この日も結構な
値がついた高野槙の枝と、冥界からの “提灯” 代わりのホオズキ(鬼灯)が売られていました。


ガイドさんが境内の隅っこの暗い場所に誘います。何かと思ったら、“お岩さん” を祀った祠だ
と云います。何でも江戸時代に、注文を受けて造られた幽霊の像の焼き物が気味悪すぎると返品
されてきたそうで、この寺の住職がこの小さな祠の下に埋めたと云うのです。この地に相応しい
と云うか、「お岩大明神」の提灯が掛けられていました。


ツアーは、ここで現地解散。いささか心細い想いもしながら境内を出て、来た道を戻ります。
出た先には、「幽霊子育飴本舗」みなとやのお店があり、今もその飴を売ってるとのこと。
もの珍しいのか、外国の方が店先に並んでいました。ここ、本来は宇治茶のお店です。


そのお店の向いの角にも「六道の辻」の石碑があって、その横の西福寺(六道の辻地蔵尊)でも
「六道まいり」の行事が執り行われていました。それにしても、外国の方が目立ちます。




夜道を歩いていると “宮川町通” に出たので、清水五条駅でなく祇園四条駅へ向かうことにしま
した。そこからだと特急に乗れるのです。少しだけ遠くなるけど、この世に戻ってきた感じです。
その昔、京都では、人が亡くなると遺骸を野ざらしにして“あの世”へ見送ったそうな。平安期に
なると人口の増加に伴って、葬送の地は都の外へと広がっていったんでしょう。当時は、自然に朽
ちるに任す風葬や鳥葬が主であったらしい。あまり気味のよい話しではないですが、お盆ですので
ご勘弁ください。 (地図は、京阪電車散策マップより抜粋/加筆、クリックすると拡大します)
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