びわ湖疏水 ② 疏水船で遡上
びわ湖疏水船の乗船場は「旧御所水道ポンプ室」の前でした。このポンプ室は、高低差を
利用し、防火用水を御所へ送る目的で、明治45(1912)年に開設されたもの。実際に使われた
こともあるそうです。令和2(2020)年に国登録文化財に登録されました。もともと宮内庁の
管理下にあって、立ち入りが厳しく制限されていたため、保存状況も秀逸らしい。
乗船場のスグ近くにある「第三トンネル」から遡上します。あんな狭いとこに入るんかいな。
びわ湖疏水船は、この疏水通航に特化した小型船で、アクリルの天井はあるものの、四方の
囲いがなく、座席は背中合わせに配置されて、コロナ対応と船長の視線確保を考慮しています。
底が浅く、不安定なので、船長の指示で1人ずつソロソロと乗り込みます。上りは 定員9名。

流れに逆らって進む場合、高速で運行しないと、船が不安定になるそうで、下りは45分掛け
てユックリですが、上りは25分で走破している由。11:15 いよいよ、出航です。 
太政大臣三条実美の揮毫「美哉山河」(うるわしきかな さんが)
なんと美しい山河であろう── 第三トンネル西口の扁額。
エンジンを吹かして、トンネルに入りました。前照灯がなければ、真っ暗です。途中に何か
見るべきものがあるらしいのですが、右や上や後ろやと視線が忙しく、秒で過ぎてしまいます。
舳先に近い席だったので、行く手の水面は静かでした。席を立つこと厳禁。強風で冷たい。
第三トンネル東口の扁額。松方正義の揮毫「過雨看松色」
(かうしょう しょくをみる=時雨が過ぎると一段と鮮やかな松の緑を見ることができる)

トンネルを出て、少し広くなるとスピードを落とします。
124m、水路上で一番短い第二トンネル。馬蹄型の出入口(西口)が特徴的です。
「随山到水源」(やまにしたがいて すいげんにいたる) 西郷の弟の揮毫。
疏水船に乗っていると、沿道の方々に手を振って応えることも“乗客の義務”なんですょ。
この船には、地元ガイドの“TOM”さんの軽妙な喋りが付いていました。
トムの航行なので、トム・クルーズ。
びわ湖疏水に架けられた最初の橋「藤尾橋」の遺構。建設当時の石とレンガの橋台。
行く手をさえぎるかのような、低い水門。疏水船は、これを潜れる高さに設計されている
のですが、天井スレスレです。大きな地震を検知した場合に、疏水の水流を自動的に遮断す
る「緊急遮断ゲート」です。阪神淡路大震災の経験から設置されたもの。
この操作をめぐっては、京都側と滋賀側とで、ヤリトリもあるらしいのですが、大阪北部
地震の際や大雨の時に、実際に遮断されたとのこと。疏水の水路を守るのが一義らしい。
びわ湖の水をめぐって、滋賀の人が悔し紛れに「水、止めたろか!」と云うらしいですが、
びわ湖から出る川は、ほぼ、瀬田川だけなので、南郷洗堰を操作すれば、一時的には止めら
れるものの、びわ湖の水位が上昇して、びわ湖沿岸に被害が出るそうです。
なので、実際に「水、止めたろか」の対象は、この疏水の事でしょうね。ただ、疏水自体
は、京都市の管轄なので、滋賀/大津の人は、余計に悔しいのではないですか。尤も、疏水の
流れを止めると云う発想は、当初からあったようで、この先に証跡が見られます。(つづく)
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こんにちは!
なるほど、良く分かりました。
本当に一度止められたことがあるんですねぇ・・・。
このツアー、私も参加してみたいなぁ・・・。
投稿: FUJIKAZE | 2021年12月25日 (土) 13時29分
FUJIKAZEさん、腹落ちしていただけましたか。
今回のツアーは、びわ湖大津観光協会が主催するものでしたが、疏水船だけの乗船も別にあり、
こちらは、JTB京都内「びわ湖疏水船受付事務局」が担当していて、全便Web予約のみです。
定員が9~11と少ないので、料金は、(時期により) 5,000~8,000円と結構します。(上り/下り同額)
船だけだと、短調なので、大津まち歩きや食事セットの方が好いように思いますが、この場合は、
蹴上→大津の遡上に限られます。大津からの下りの場合の場合は、蹴上のインクラインや水路橋から
東山の庭園群や南禅寺周遊ということになりますね。
見どころ一杯ですが、疏水船の運行シーズンが春・秋に各二ヶ月に限定されるのが難点ではあります。
投稿: 南太郎 | 2021年12月28日 (火) 17時58分
第三トンネル東口の写真ステキですね!水面に映って⚪︎になって紅葉もチラリ🍁 第二トンネルの馬蹄型の出入り口も好きです。
投稿: ジェニー | 2021年12月30日 (木) 19時59分
ジェニーさん
紅葉の季節には、少し早かったようですが、疏水船のコースでは、トンネルがポイントですね。
今回が初めてでしたので、ちょっと戸惑いました。上りの疏水船は、スピードが速い。
投稿: 南太郎 | 2021年12月31日 (金) 12時26分